フラワーデザインでは展覧会はやったことがあったけれど、
これまでアート作品での展覧会経験がなく、アート教育は高校生の頃の美術の授業までで、作品が一つもなかったのですが、今年は一つでも形にしようと思っていました。
30代前半、2003年に銀座のギャラリーで展覧会ができるのか?どうか?を聞いてまわったときに花は虫が出るから等と断られ続け、ギャラリーでの挑戦はできないまま、一般的なデザインでしか活動はできないのか、デザインでも販売に落とし込めるものしかないのか、デザインでもちょっと見たことがないものはNG、変わったデザイン、海外のものは雑誌の中でだけ。おまけに無名だと難しい。そんな時代。
札幌で勤めていた花屋は一般的なデザインを作ることを禁じていたので、そこにいればよかったのだと何度も後悔しました。社長は彫刻家で奥様は画家、娘はフラワーデザインの世界大会で2位、日本大会は優勝のお店で、アトリエには世界のフラワーデザイナー達の書籍が置かれていました。
札幌の花屋
私は医療器械の会社で事務の仕事をしていましたが辞めて、結婚離婚を機に20代から地元を離れ、大阪、パリ、札幌、東京で、その土地の文化による植物と人との関係を見るために、また自分の知らない世界を知りたく様々な花屋で勤めてきました。そんな中、一人でお店を任されたり、赤字のお店を黒字にしてきた経験があるので、一般的に売れるものとそうじゃないもの、売れるけど時間対費用の面など熟知していました。
大阪で最初に見た台風の後のなぎ倒されたセイダカアワダチソウの形があまりに芸術的で、これに勝るデザインは無いと思っていました。
台風の後のセイダカアワダチソウ
デザインであっても私の本来作りたいものの場合は土台作りなど、時間のかかるものも多く、とてもお店向きではありませんでした。
そこから一番の出来ることから自分の中から消していかなくては働けません。自分の中から生まれるデザインの為の大変だけれど自主的に動かなければ見つけられなかった多くのもの、時間、費用、気持ち、好きなもの、様々なものが世の中に合わせていく度に手のひらから一つ一つと落ちて行ってしまう日々。そんなうちに私は精神がウツのような状態になっていきました。
それでもデザインは作り続け、自分発信でなくては自分のブランドの居場所を作れないので、販売やコラボやワークショップも開催していき、ようやく売り上げが安定していき、あちこちからお声をかけていただき、まだ赤字ではあったけれど、価格を正規の価格に戻し、人を雇えば時間を確保できる段階まできたところ、念願のアート作品製作へと移行できるタイミングで世の中は新型の病気で閉塞的になりました。
癒し系の花はまだそれでも引きが強く、あちこちからお声をかけていただき続けていましたが、全て断っていきました。
薬屋のような花屋をしようとして出来なかったけれど、ウツの時は自分に諦めしかないので、それしか自分がやりたいことがないのだと思い込み、代替療法を研究すると同時に様々な講座受講、ワークやエネルギー療法を受け、自分を取り戻していき、元の自分を思い出して行きました。
薬屋の花屋をするためには野草、薬草や、オーガニックフラワーについて伝えなくてはいけない。
その事にも2006年から取り組んでいました。
2006年フラワーexpo国際展示場
薬屋の様な花屋を目指して出展
2016年から障がい者さんへのボランティア活動をしていた時に、精神疾患の方々だったので、商品開発やワークショップなどをする我が身の事をまずは何とかしなくてはいけないと思っていました。
障がい者さんに製作してもらった商品たち
一般の方へワークショップをするたびに教えた通りにしか作れないジレンマや正解を求める風潮がどうしても自分の心をむしばんでいっている感覚があり、内容を自発的なものへと変えていくにはどうしたら良いのかと考えあぐねていました。
先生というより、個々の個性の仲間の空間を作りたかったのですが先生止まりです。
自分がまずは何か自分の枠を越えた活動をしなくては伝わらない。
実践していかなければ伝わらない。
そう思い、一切の活動を辞めて作品作りに没頭し始めました。
どうしてそんなことするの?と半信半疑ながら本来の心に従っていくと、自身を見つめる視界が開けていき本当は何が望みだったのかを思い出しました。
自分の作品が自身の心の居場所を作り、自分自身が活動することでしか得られない感覚や実感、自分自身をリアルに感じ成長させていく事の出来る唯一の行動であるというのを伝えたい。
それが自分を大切にすることであり、自己受容することに繋がる方法であり、ヒーリングにもなる。
他人と比較せず、流行に流されずに自分の視座を持つことこそが自分を大切に出来る。
作品は作ろうと思って作れるものではなくて、発生してくるものなので
自分を生きていなければ、まずその出来事は起こりません。
周りに人と比較したり、陰口を言ったりしている人、どうせが口癖な人はいませんか?
その中にいると自分もそうなっていきます。私がそうでした。
『自分を生きる』それを伝えたくて、私は活動しています。
あなたの心は何を伝えたがっていますか?
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